面倒見が良かったのに態度が一変 夜勤帯はなぜか部屋に引きこもる師長
※ 日経ヘルスケア 2012年8月号 掲載 ブログにするにあたり株式会社日本経済新聞出版社より許可を頂いております。
目次
面倒見が良かったのに態度が一変 夜勤帯はなぜか部屋に引きこもる師長
病棟看護師長のAさんに対して最近、
部下から不満の声が上がっている。
夜勤になるとなぜか管理室にこもるので、
自分たちの業務量が多くなる。
だからAさんと一緒に夜勤をしたくないというのだ。
スタッフの面倒見が良く、
部下からの信頼も厚かった彼女に、
いったい何が起こったのか─。
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ほかのスタッフたちに気を配りながら
業務をテキパキこなせる病棟師長のAさん。
仕事の教え方は、まさに手取り足取りといった感じで、
部下の信頼も厚かった。
だが最近、
Aさんは夜勤になると管理室にこもることが多くなり、
「一緒に仕事をしてくれない」と
部下が口をそろえて言うようになった。
Aさんの態度が一変したことを、
部下たちはほかの病棟の師長に相談。
この師長から報告を受けた看護部長は、
師長会でこの件を取り上げることにした。
師長会で話し合うも解決せず
後に看護部長に聞いたところ、
師長会ではこんなやり取りが行われたようだ。

「困ったときは声をかけるように」と、その都度話して部屋に行っているんですけど。


部屋にこもらず「どう、大丈夫?」とかかわるべきなんじゃないの。
それに、今まで声をかけすぎて失敗したなと思って、自分なりに後輩を育てようとかかわり方を工夫しているんです。
私、間違っていますか。


でも実際、あなたの部下は困っていると言っていたわよ。

看護部長から相談を受けた筆者は、
このような話し合いを続けても事態は好転しないと感じた。
管理室にこもることは是か非かという議論をしても、
両者の言い分が平行線をたどるのは明らかだ。
大切なのは、
Aさんがなぜそのような行動を取るようになったかを把握することにあると思われた。
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ある「事件」が態度を変える契機に
そこで筆者は看護部長と相談し、
看護部長、Aさん、筆者の3人で話し合いを行うことにした。
筆者はまず、

とAさんに尋ねてみた。
この質問にAさんは、
だからこそ、自分は後輩に丁寧に教えようと頑張ってきましたが、
逆にそういうやり方が甘えを生んでいるのだと思い直したんです。
最近はわざと厳しくしているから、部下がそんなふうに言うのだと思います

と答えた。
看護部長が

とアドバイスすると、Aさんは

と表情を曇らせながら返した。
筆者は、このときの表情を見て、
後輩への態度を変えるに至った大きなきっかけが
あったのではないかと推測。
さらに突っ込んで質問したところ、
Aさんはその経験を語り始めた。
数カ月前、
Aさんの部署の新人が医療事故につながりかねない大きなミスを犯した。
「最後は先輩が確認してくれるから大丈夫だと思っていた」
との新人の言葉を聞いたとき、
自分の指導が甘かったことに初めて気づいた─。
これが、彼女が語ってくれた真相だ。
若手はミスが多いから、
処置などが適切にできたかどうか先輩スタッフや
Aさん自身がこまめにチェックし、
その都度指導してきた。
だが、その配慮が行きすぎて
責任感が育たなかったのだと反省。
仕事に間違いがないか自分でしっかりチェックし、
その上で「最終確認をお願いします」と言える若手を育てなければ、
もっと大きなミスが発生してしまうのではないかと危惧し、
自らの態度を変えることを決意したのだという。
夜勤の時間帯は日勤帯ほど慌ただしくないため、
師長がいない時間がある程度長くなっても
業務は十分回ると判断し、
あえて夜勤帯に部屋にこもっていたことも分かった。
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師長、管理室から出て語る
看護部長は、
教育が不十分な職場で育ちながらも
丁寧に部下を指導してきたAさんにお礼を言い、
安全対策を真剣に考えてくれていることにも感謝の言葉を述べた。
看護部長の言葉はAさんの心に響いたようで、
一気に表情が和らいだ。
筆者が、

と言うとAさんは苦笑いをして大きくうなずいた。
さらに筆者は、Aさんに

と提案した。
Aさんは後日、ミーティングで部下たちに自分の気持ちを率直に告白。

と伝えた。
看護部長によると、
その後部下たちの仕事への姿勢は明らかに変わってきており、
Aさんが管理室にこもることもなくなったとのことだ。
人は焦ったり行き詰まったりすると、
極端な行動に出てしまうことがある。
そんなとき、職場の上司は表れた行動にしか目が行かず、
やめるよう注意するだけで終わらせてしまいがちだ。
職員に問題行動があれば、
まずは本人の声にじっくり耳を傾けてみることをお勧めしたい。
そのことが、問題の根本解決への近道となることは案外多い。
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