人間関係のもつれを解きほぐして院内環境を整える経営トップの「代弁者」

※ 最新医療経営PHASE3(フェイズ・スリー)2019年11月号 掲載 ブログにするにあたり日本医療企画出版社より許可を頂いております。

高橋教授のこの人に会いたい Vol.29

一般企業だけでなく、医療現場でとりわけ注目されている「コーチング」。
その理由は何か。
ここでは、看護師、教員というキャリアを歩み、
さまざまな病院でコーチング導入の実績を持つ
奥山美奈・TNサクセスコーチング株式会社代表取締役を、
高橋泰・国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長・教授が直撃。
医療現場の人材マネジメントの課題と解決の実践を聞く。

最新医療経営PHASE3(フェイズ・スリー)2019年11月号


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人間関係のもつれを解きほぐして院内環境を整える経営トップの「代弁者」
現場に入り人間関係のもつれを解きほぐす

高橋先生
高橋先生
奥山さんはTNサクセスコーチングの代表取締役として全国の病院を飛び回り、さまざまな医療現場の問題を解決していますが、どんな課題が多いですか。
課題はいろいろですが、そのほとんどが病棟内、部内、部門間、あるいは対患者と、院内の人間関係のもつれが原因になっています。
私はそれらを解きほぐして整理するということをやっています。コーチングというより「ヒューマン・リレーションシップ・マネジメント」と言えるかもしれません。
たとえば、*看護師・介護士がなかなか定着しない、*部署同士でいがみ合っている、*患者さんをリハビリ室に連れて行く役割をリハと看護で押しつけ合う、*上司の部下指導が厳しすぎパワハラ気味になっている、*「患者指導」と言いながら患者さんにキツくあたってクレームを引き起こしてしまう――などです。
これらは当事者自身では気づかないコミュニケーション力に原因があることが多いので、それを可視化して当事者に気づかせて解決に導くなどしています。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
院内で対応するのは難しいですか。
経営者の方々にこうした現場のゴタゴタに関する真の問題が報告に上がってくることは、まずないです。
多くの職員は経営者には良い顔をしますし(笑)。
現場の雰囲気は淀んでいて、何より看護師・介護士の定着率が悪い。採用経費も膨れ上がり、経営を圧迫するといった事態が続いていて何とかしたいけど、当事者も管理職も経営者も何をどうしたらいいかわからない。コミュニケーションの問題は抽象的なので、外部がかかわらないと現場での解決は難しいと思います。
奥山
奥山

やりっぱなしの研修からトータル研修プログラムへ。TNサクセスコーチング

経営者の代弁者として現場に介入する

高橋先生
高橋先生
コンサルタントとも違いすね。
コンサルタントはどちらかというと、対象が経営者であることが多い。たとえば理事長に経営改善のポイントを示し、それに取り組むことによって経営収支がどのように好転するか、といったことを示します。検討材料を集めるために現場も回るでしょうけれど、課題を見つけたからといって介入することはありません。
一方、奥山さんはコーチングや研修を通して現場に首を突っ込むことで、壊れかけた院内の人間関係のリフォームを行うプロフェショナルですね。
ただ、逆に言うと費用対効果が見えにくいだけに、経営者はどういう動機で奥山さんに依頼するのか、興味があります。
私がかかわらせていただいた経営者の方から、課題を抱える理事長や院長をご紹介されることが多いです。
現場の人間関係のもつれで困っている経営者が、自分の代弁者として、時には、看護師の目線から見た現場の課題を経営者ご自身が知りたいという思いで、私を現場に送り込むということがあるかもしれません。
1日8時間常駐して、管理職・昇格者の研修や管理職の目標管理(個別コーチング)に、スタッフのキャリアコーチング、看護師のユニフォームを着て現場のモニタリングをすることもあります。
これを月に2日間(16時間)ペースで行うパターンが多く、得られる効果はさまざまですが、共通して言えることは、スタッフの病院に対するロイヤルティーが上がるということだと思います。
やる気のアップした職員でプロジェクトチームを編成し、採用率と職員満足度を向上させたり、長年の課題であった業務を改善したりと成果が上がっています。
ほかには、中途採用者への研修やキャリアコーチングは定着率の向上に、管理職への個別コーチングは部署目標の達成につながっていると思います。
奥山
奥山

部下への「かかわり方」を見直す機会をつくる。

高橋先生
高橋先生
経営者の代弁者として、そして現場課題の発掘者として、現場に入るとのことですが、具体的にはどのようにかかわっていくのですか。
経営者を代弁するといっても、いきなり組織体系を変えるとかではなく、それぞれの人に仕事への姿勢や仲間たちへの「かかわり方」を見直してもらうことを重視しています。
研修で医療現場に:起きがちなミスコミュニケーションを解説して、それぞれに我が身:を振り返ってもらい、「私の部下へのかかわり方は問題があるのが分かったけど、解決策がわからない」という人には個別コーチングでかかわり方を具体的に改善できるように導きます。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
たとえばどのようなものですか。
部下への指導の仕方で悩む師長や課長は多いです。医療職の場合、ちょっとしたミスが大きな事故につながることがありますから、本人のためにとキツく注意をすることもあります。
でも、大勢の前で注意された本人や周りから見れば、明らかに度を超していて、「パワーハラスメント(パワハラ)」ではないかと思われることもあります。私の研修を受けて「私の指導は『パワハラ』だ」と気づいても、どうしてもキツい言い方を改められないという人もいます。
その人と個別面談をしてキツい言い方の原因をたどると、たいてい叱る本人の子ども時代の親とのかかわり方に課題があったりします。人は「教わったように教える」ものですが、本人が根本原因に気づき、本気で変わりたいと願うと言動を改善できます。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
気づかない場合はどうするのですか。
人事評価シートを見せて指導法に問題があり、このままだと減給や降格もあり得ると伝えます。そうなるとたいていは渋々であっても本人は言動を改善します。時にはそうした「力技」も使います (笑)。
コーチングはやる気がある人には有効ですが、そうでない人には効果がありません。パワハラを直せない人には具体的に行動変容するまで指導します。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
看護師出身でコーチング技術も身につけた奥山さんでなければ、そうした介入は難しいのではありませんか。
私は経営者の方々に、こうした介入(研修や指導やコーチング)が職員の方々自身できるようになるのが重要だとお伝えしています
。つまり内製化です。
私が看護部長や看護師長、部門長に対してどのようにコーチングしているかを見ていただき、その方々が自分の部下に同じ手法でコーチングができるようになるために「院内コーチ」という称号を与える資格認定をお勧めしています。上司が良い面談をできれば自ずと部下に継承されるからです。
奥山
奥山

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コーチング大会 育成面談「返事だけの佐藤」


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「引き留める」より「本人の今後」に寄り添う

高橋先生
高橋先生
個別の相談もあるのですか。
はい。退職の相談を受けることもあります。院内の上司でなく私が応じるメリットとしては、客観的なアドバイスができるという点です。上司はどうしても「引き留める」が前提になってしまいますから。第三者である私は本人のキャリアプランに寄り添えます。
たとえば、あこがれの専門病院に入職したけど、イメージしていた職場ではなかったからもう辞めたいと思っている人への面談では、「もちろん辞めるのも選択肢の1つだが、どんな理由にせよ数カ月での離職は自身のキャリアにはマイナスでしかない。
ラダーⅡは終えてからと割り切ったらどうか」と、提案したりします。実際、いくら売り手市場とはいっても、ゆくゆくは自分の望む働き方、ポジションにつきたいなら戦略的にと話すと、キャリアを大切に考えている人は思いとどまります。
奥山
奥山

「理想とする看護」を持つ看護師を味方に

高橋先生
高橋先生
看護師の退職理由には経営層も頭を悩ませています。
私が見た限りでは、退職理由はだいたい3つに分けられます。
50%は「自分が正当に評価されていない」と感じたから、30%は「この組織では理想のキャリアを積めない」と感じたから。残り20%は「自分の理想の看護ができない(患者のための看護ができない)」です。
「自分が正当に評価されていない」と感じている人には、経営層や上司がたとえ口頭ベースでも「あなたの働きはしっかりと見ていますよ」と評価を伝えれば、だいたいは踏みとどまります。「キャリアが積めない」については、人事制度に「専門職コース」を設けたり、院内外の資格取得の費用を負担したりすることが、離職を踏みとどまることにつながるケースが多くあります。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
「自分が理想とする看護」とは何でしょうか。
看護師にはそれぞれ「自分が理想とする看護」があって、それが実現できないと考えると、辞めてしまう人が多くいます。そういう意識の高い人の場合、「患者さんのためになっているかどうか」が、唯一の判断基準ですから、極端なことを言うと、多少給料が安くても、患者さんのためになっていると思えれば、どこまでもついてきます。
逆に「この病院にいても患者さんのためにならない」と思ったら、罪悪感があるのでいくら給料を引き上げても辞めます。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
引き留める方策はあるのですか。
難しいです(笑)。ただ、院長の診療場面を見せたり、自身の熱い医療観を折に触れて伝えたりすることがカギになると思います。これは私見ですが、そういう看護師を味方につけると、理想の病院ができる気がします。
奥山
奥山
高橋先生
高橋先生
病院経営者も奥山さんのように、現場でいろいろできる人を活用するといいですね。
ありがとうございました。

 

高橋泰(たかはし たい)

国際医療福祉大学赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長・教授
●1986年、金沢大学医学部卒業。同年、東京大学病院第1第3第2内科・麻酔科で研修。92年、同大学医学部医学系大学院医学博士課程修了(医学博士)後、米国スタンフォード大学に留学。94年、ハーバード大学公衆衛生校に武見フェロ―として留学。97年4月、国際医療福立大学医療福祉学部医療経営管理学科教授。2009年から現職。16年9月より安部内閣未来投資会議の構造改革徹底推進会合医療福祉部門副会長。

 

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